〜 みみの日々〜

力んだ心をちょっぴりほぐすようなブログを目指しています。シャンソンやクラッシックギター、映画などの趣味や日々の暮らしのエピソードを綴っております。

異国の歌

 シャンソンのレッスンでは新しい曲を習う度に先生がその曲について、その歌が生まれた時代の事や、歌詞の内容、歌手のエピソードなどなど説明して下さる。

 

 そして、たまに驚くのは「その曲って定番中の定番じゃないの?」と思うような私達日本人でも知っている曲を、実は当のフランス人(特に若い人)が知らない事も多々あるという事。

 

また、先生のお知り合いのフランス人が先生のクラスを見学に来て、フランスから遠く離れた極東の地で彼らさえ知らないフランスの曲をわざわざ訳して日本人が歌う姿を見て、なんとも不思議な気持ちになるそうだとお話ししてくれた事もあった。

 

「ふーん。そんな感じなんだ。」とその感覚を実感として分かったような分からないようなまま日々は過ぎていったが、先日ふと「あっ!この感じが近いかも!」と思える出来事を思い出した。

 

 

 

  昔々学生の頃、ピンクのうさぎのコマーシャルでお馴染みだった語学学校でフランス語を習っていた。

 

 教わっていた先生の1人が、おしゃれで華やかな生粋のパリジェンヌで 子供の頃からハープを弾いていたという明らかにブルジョワ家庭出身の人だった。

 

 ある日のレッスン開始直後、「私、今度テレビで歌うから見てね‼️」と先生が目をキラキラさせて放送日とチャンネルを教えてくれた。その番組は外国人が日本の歌を歌ってトーナメント方式で優勝を競う内容だった。

 

 普段身近に接している人がテレビに出ているのを見てワクワクし、更に先生がお姫様の様なゴージャスなドレスを着ているのにもテンションが上がった。

 

 司会者が先生にインタビューを始めると、普段フランス語しか話さない先生の流暢な日本語にまず驚いた。そして先生が歌う曲に更にびっくり。

 

 それは、私が全く知らない演歌だった。五木ひろしの曲だと言っていたが、「五木ひろしはもっとメジャーな曲があるのに何故にその曲をチョイス?」と思った直後に「いや、それ以前に何故その曲を知っているのか?」と不思議でたまらなかった。

 

 

  きっと先生も正に私が今フランスの歌を楽しんで聴き、一生懸命に練習しているのと同じように、日本の歌を聴き、歌っていたんだなぁと思うと遠い昔の恩師が懐かしさと共に身近に感じられて嬉しい。

 

 先生は今でも演歌を歌っているのだろうか?パリでハープを奏でながら演歌をうたっているかも?