〜 みみの日々〜

力んだ心をちょっぴりほぐすようなブログを目指しています。シャンソンやクラッシックギター、映画などの趣味や日々の暮らしのエピソードを綴っております。

いしや〜きいも〜🎶

暖かくなり、焼き芋の季節も終わりそうだけど…一昨日、駅前で焼き芋を売るおじさんを見かけたので、焼き芋のお話。

 

ここ数年、焼き芋🍠を見かけるのはスーパーマーケットだが、私の幼少期、昭和の時代は焼き芋と言えば、「いしや〜きいも〜🎶」の歌声?をスピーカーで流す車でおじさんが売りに来ていた。焼き芋は余り好きではなかったものの、焼き芋売りのおじさんがやって来ると心踊り、「買ってみたい」といつも思っていた。「焼き芋を買うこと」がしてみたかったのだ。

 

しかし、小さな子供なので、まずお金がない。そして、おじさんを呼び止める勇気もない。そんな訳で、何シーズンか焼き芋チャンスを逃していたのだが、小学生になったかならないかの頃、だんだんと家の方に近づいて来る「石や〜きいも〜」のサウンドに居ても立っても居られなくなり、「えいっ!えいっ!」と貯金箱を上下に振って底の穴から中身を出すと両手に有り金を全部乗せて外に出た。

 

ゆっくりと走る車へのそのそと駆け寄る私に気付いたおじさんは、車を止めて降りて来てくれた。

 

両手を差し出し「焼き芋下さい」と言うと、おじさんは新聞紙で作った袋いっぱいにお芋を入れて渡してくれた。多分、5本くらい入っていたと思う。そして、満足して家に帰り祖母や兄に「焼き芋買って来たから、分けてあげる」と得意げに言った。しかしその後、子供ながらに不思議に思った。「果たして私はいくら持っていて、焼き芋はいくらだったのだろうか?」と。

 

茶色い硬貨が多数を占めていた私の全財産はおそらく200円くらい。当時の物価もよく覚えていないけれど、焼き芋が5本も買えないことは間違いないだろう。

 

長い年月を経て私の感謝の気持ちが今、おじさんに届きますように。